PROFILE  

紙一重

「SHINECLUB」を「しねクラブ」と読む人もきっといるはずである。
「死ね〜」などと叫び合うアングラ劇団だと思いこむ人がいるかもしれない。
「何某社の社員同士」と勘違いする人もいるに違いない。

でも実は、単なる 「輝く会」なのだ。

平凡な名前だ。それゆえか、意外と使われてない。
誤解を招きやすい名前だ。しかも野暮ったい名前だ。
まあ、そんなことは気にしない。
名前は「野暮」でも、中身が「粋」ならそれでいいではないか。

そもそもこの名前、僕らにとってはそれなりにわけがある。
僕らが小学生の頃、近所に「社員クラブ」という施設があった。
ここは町内会の会合や町内に住む会社員のための飲食施設として
使われてきた。当時の僕らにとって「外食」とは「社員クラブに行く」ことを
意味し、そして僕らの遊び場所はこの界隈が中心で、それなりに重宝されてきた。

僕はここで寸劇のナレーションをしたもんだ。ワンコは町内会の
ソフトボール大会の打ち上げのとき「びっくり日本新記録」のコントをして
キャサリンから祝福のビンタを喰らった。
タツヤはこのソフトボールクラブのエースピッチャーだった。
タヌキは僕が持っていた「へんてこ定規」をやたら羨ましがっていた。
(注: サクラクーピーペンシルを買うともれなく付いてきた。が、関係ない話だった)

この場所は僕らにとって思い出深い場所であった。でも不況の煽りを受けて
閉鎖された。その時期と同じくして、僕ら4人は再会した。
メンバー4人とも中学校までの同級生。30を前にして再び出会ったのは何かの縁。
まもなく僕らは「舞台」という同じベクトルを見出した。
僕らは僕らの原点とも言うべきこの施設の名前を受け継ごうと勝手に思ったのである。

そんな身の程知らずな4人が行き着いた必然が「SHINECLUB」である。

舞台表現に関してはまだまだど素人ある、が、人を楽しませる感覚は今に始まった
ものではない。僕ら4人はどこかで現在に至る伏線があったと思う。
そしてそれを舞台で見せるときがようやくやって来た。つまりそういうことである。

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